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ⓘ 医学部 (いがくぶ)は、大学において医学教育に関する研究・教育を行っている学部。また医学を専門に学ぶ課程。 医学部の社会的責務は教育・臨床・研究の3つであると言わ ..



                                     

ⓘ 医学部

医学部 (いがくぶ)は、大学において医学教育に関する研究・教育を行っている学部。また医学を専門に学ぶ課程。 医学部の社会的責務は教育・臨床・研究の3つであると言われる。

  • 研究は、現在の医学では治せない難病に対して実験的治療が行える高度先進設備と学者が揃った病院で行ったほうが効果的であるため、医学部の責務とされる(特定機能病院)。
  • 高度先進医療は、世界中から最先端の知見を集めて地域の医療レベルの向上に資するため、またそれには研究を行っている学者がいる病院である方が効果的であるため、また最新の医学を学生に学ばせるために、医学部の責務とされる。
  • 医学教育は、実際に患者に触れて心理や倫理を学ぶ事ができる附属病院を有している方が効果的であるため、医学部の責務とされる。また医学教育は、高度先進医療を行う病院には「まれな疾患ではあるが病態を理解しやすい難病」の患者が集まり、この様な病院の方が効果的であるため、医学部の責務とされる、学部学生の臨床実習、卒業後の研修等が行われる。
                                     

1.1. 日本における医学部 資格

医師養成課程(医学部医学科・6年制)を卒業した者には「学士(医学)」の学位(1991年以前は「医学士」の称号)が授与されるが、学士(医学)及びその他の6年制学部卒業者や修士号取得者は医学系の大学院に入学することが可能で、「博士(医学)」の学位を取得することが出来る。すなわち、医師養成課程を経ずとも博士(医学)の学位を取得できる。

博士(医学)の学位を取得できる大学院は、医師養成課程を持つ大学に設置される。博士(医学)の学位を取得するためには、それらの大学院医学研究科に入学する必要があり、さらに、自ら執筆した論文の評価によって博士の学位が授与される。医学研究科は4年制であるが、社会人大学院に入学した場合は3年以上の授業料納付と博士(医学)と認められるのに充分な論文の提出が必要である。

なお、博士(医学)は学位であり医師免許とは無関係なので、医師ではない博士(医学)の者は医業を行うことはできない。また、医学部医学科を卒業せずに、博士(医学)の学位だけを取得しても、医師国家試験の受験資格はない。医師となるには、医学部医学科を卒業予定あるいは卒業した者が、医師国家試験を受験して合格する必要がある。

                                     

1.2. 日本における医学部 教育

医学部の医学科は2016年時点で日本では80大学にあり、1学年100人前後の入学者数で構成される。1973年の「無医大県解消構想」の閣議決定があり医学部定員は増加を続けたが、1982年に医師数過剰を防ぐためとして定員は抑制され、2003年から2007年まで7625人に据え置かれた。 入学志望者の競争倍率は高く、医学科の学生の平均年齢は他学部に比べ高い 。

各大学発表の収支報告書によると、基本的に授業料収入が教育経費を上回っている。 私立大学医学部の高額な学費は、教育費に加え大学病院の赤字補填費や研究費に充てられる。私立大学医学部の6年間総額納入金の平均額は約3.300万円である。最高額は川崎医科大学医学部で卒業までに約4.600万円が必要。一方で自治医科大学のように、卒業後に一定の条件を満たせば授業料がほとんど無償という大学もある。

卒業時には卒業論文はなく「卒業試験」に合格することで修了となる(一部例外あり)。医師国家試験の合格率が大学評価に直結することも多く、理学部や工学部などに比べて進級および卒業の難易度は高いと言われる。そのため大学の医学部医学科に於ける留年の問題は旧来より論じられている。近年の地域枠新設等に伴い医学部学生数が増加している現状に即し、再度議論を行う必要性が高まってきている。医学部医学科入学時、医学部のカリキュラムに学力・体力ともに耐えうる者が選抜されて医学部学生として医学部医学科への在籍を開始している前提にもかかわらず、入学から数年間で留年(原級留置)する医学部学生には、学力的或いは体力的に、将来医師となる者としての資質が欠けている可能性が高いと考えられている。入学を許可した大学は、補習を行うことで進級のための指導を行っている。医学部に投じられる国税の観点からも、留年生にたいして、ペナルティを課すことや、可能な限り低学年で進路指導を行うことも検討されるべきと考えられている。特に私立大学の医学部医学科は非常に厳しく、医師国家試験に合格できそうにない学生を容赦なく留年させることも少なくなく、しかも学費が非常に高額なために中途退学してしまう者が毎年後を絶たないという。

2017年現在、最も歴史の浅い医学部は国際医療福祉大学医学部で2017年(平成29年)開設である。

また、近年の医師不足の背景から、私立大学に医学部の設置を検討する動きが出てきており、同志社大学が複数の地方自治体と連携して、医学部設置を目指す動きを2012年に表明していた。しかし、2013年、文部科学省は、東日本大震災復興支援として、東北地方に所在する大学一校にのみ、新設を認める方針を取ったことから、同志社大学は医学部設置を断念した。その後の審査で、文部科学省の審査会は、医学部を新設する大学として、東北薬科大学を選定し、2016年度に東北医科薬科大学医学部が設置された。

                                     

1.3. 日本における医学部 入試

近年は少子化による大学入試の易化や理系離れが指摘されているが、バブル崩壊後長く続いた不況による企業の倒産やリストラの影響などもあり、医学部志望者が大幅に増え、特に国公立大学の医学部の入学試験が難化する傾向にあり、景気回復後も人気が高止まりしている。国公立大学医学部は、私立大学医学部に比して学費が圧倒的に安い為(年間約50万)、医学部志望者への人気が非常に高い(特に旧帝国大学(旧帝大)や三大都市圏の国公立大学医学部は、東京大学の理科一類および理科二類に匹敵するかそれ以上の入試難易度と言われることが多く、地方の非旧帝大の医学部でも前述の東京大学の理科一類、二類に匹敵もしくは準ずる難易度と言われている。とは言え、東京大学理科一類、二類の難しさと国公立大学医学部の難しさは、難しさのベクトルが全く異なる為、単純比較は出来ないともされている)。また、私大医学科は学費が比較的安い大学ほど入試難易度は高くなり、逆に学費が高額な大学ほど入試難易度はやさしくなる(学費の高さと入試難易度は反比例する)と言われている。

総合大学では、他学部と同じ問題を出題している大学がほとんどであり、センター試験、二次試験共に合格最低点や入試偏差値は同大学他学部と比して極めて高く、最難関学部(学科)と称されている。さらに2006年度入試から国公立大の医学部において、理科3科目(化学、物理、生物)全てを受験しなければならない大学も出てきたが、現在では全ての国公立大学で理科2科目の受験が可能になっている。また、2017年度入試までは九州大学医学部、東京大学理科三類は国公立及び私立医学部を含めた全ての医学部でただ2つの面接のない二校であったが現在では全ての大学及び入試日程において面接が課されている。

                                     

1.4. 日本における医学部 卒業後

2004年度から卒後臨床研修にあたって研修医自身が研修先を選べるようになったところ、研修内容が充実する傾向にある都市部の病院への希望者が集中するようになった。このため2010年度から地域別の人数に上限が設けられた。2016年の研修医のマッチング実績では大学病院で研修する者が全体の42.6%、市中病院が58.3%だった。

                                     

1.5. 日本における医学部 定員

国(官)公私立大学医学部(医専)等の一学年分の定員の合計は、1945年(昭和20年)に10.533人(うち医専が8.225人)だったが、医専を廃止するなどして1948年(昭和23年)に2.820人まで減らした。この定員数は固定化されていたが、1960年(昭和35年)には2.840人に増やされ、1961年(昭和36年)の国民皆保険達成による医療需要増加に合わせて医学部の新設が始まり、1965年(昭和40年)には3.560人、1970年(昭和45年)には4.380人、1975年(昭和50年)には7.120人、1980年(昭和55年)には8.260人となった。

最後の新設医科大学となった琉球大学医学部が医学科生受け入れ開始した1981年度(昭和56年度)には8.280人にまで増加。すると、厚生省の医師需給見通しに基づいて、1982年(昭和57年)に定員抑制の閣議決定がなされ、1985年(昭和60年)の8.340人をピークに定員削減が始まった。バブル景気を背景に進学率が上昇し、団塊ジュニア世代が受験した1990年(平成2年)には7.750人まで削減され、大学志願者数が1992年(平成4年)に92万人でピークとなると1995年(平成7年)には7.710人、さらに1997年(平成9年)の閣議決定に基いて削減は進み、2003年(平成15年)以降は7.625人で固定化された。

しかし、2004年(平成16年)から始まった卒後臨床研修義務化などを契機に勤務医不足や医師の地域的・診療科的偏在の深刻化から医師の需要が増大した。そのため、2008年(平成20年)度入試で定員を7.793人に増員し、2009年(平成21年)は過去最高の8.486人に増員された。政権交代後も毎年増員がなされ、2017年(平成29年)度に定員は9.420人まで増加した。

なお、大学志願者数は2006年(平成18年)以降、70万人を割っている。

                                     

1.6. 日本における医学部 公立大学

  • 横浜市立大学
  • 札幌医科大学
  • 京都府立医科大学
  • 奈良県立医科大学
  • 和歌山県立医科大学
  • 大阪市立大学
  • 名古屋市立大学
  • 福島県立医科大学
                                     

1.7. 日本における医学部 省庁大学校

  • 防衛医科大学校(防衛省文教研修施設)
                                     

1.8. 日本における医学部 医学部に類する名称

医師を養成する教育過程については医学教育を参照。

医学所・医学院・医学校・医学館
  • 造士館医学院(1774年)、仙台藩医学校(1817年)、西洋医学所(1861年)、慶應義塾医学所(1873年)、濟生學舎(1876年)、医学館、ほか。
  • 幕末から明治初期にかけては全国各地に医学所が設立されていた。
医学校
  • 明治初期に府県立の医学教育機関を指した。
  • 日本国外の医学系専門職大学院の和訳として用いられる場合もある。
医学部
  • 1886年の中学校令施行から1918年の大学令施行までは、高等中学校または旧制高等学校の一学部である医学教育機関を指した。
  • 大学令施行後は、大学の一学部である医学教育機関を指す。
医科大学
  • 1886年の帝国大学令から大学令施行までは、帝国大学の医学系分科大学を指した。
  • 大学令施行後は、医学部の単科大学を指した。看護師やコ・メディカルを養成する学科、歯学部や薬学部などの医療系学部を持つ場合もある。
医学専門学校
  • 1903年(明治36年)の専門学校令によって設置された旧制医学専門学校のこと。
  • 現在は、医療従事者のうち、大学での教育が義務付けられていない職種を養成する専門学校が「医専」を名乗る例が見られる。
医療大学
  • 医師を養成する学部が無いが、それ以外の医療従事者を養成する学部を持つ大学が名乗る例が見られる。
保健学部医学科
  • 公衆衛生の観点を重視したもので、日本国外でみられる。返還前の沖縄には、これに類した体制があった。
                                     

2.1. 欧米における医学部 ドイツにおける医学部

ドイツには2014年現在37の医学部があり、その内訳は州立が35校、私立が2校である。

                                     

2.2. 欧米における医学部 歴史

ドイツでは1388年にハイデルベルク大学で医学部教育が始まったのをきっかけに医学分野で世界をリードした。しかし、ドイツの医学教育は権威主義的で堅く閉ざされていたとも言われており、戦後、アメリカ、カナダ、イギリス、オランダなどの医学教育を見習う必要があると指摘されるようになった。

医学教育改革が行われ2003年に医師免許に関する規制法が発効した。

                                     

2.3. 欧米における医学部 教育

ドイツの医学部は6年制だが学年制ではなくセメスター制が採用されている。6年間のカリキュラムは、多くは基礎科学に2年、臨床医学に3年、臨床実習が1年である。セメスター制も多くは前期と後期の2セメスターである。

ドイツの医師国家試験は第1回目試験(2年終了時)と第2回目試験(5年終了時の筆記試験及び6年終了時の口頭試験)が実施される。

                                     

2.4. 欧米における医学部 入試

ドイツの医学部の入試には多彩な選抜方式が採用されている。

  • 大学独自の選抜制度 - 医学部の約6割は大学ごとの書類選考及び面接試験により選抜される。
  • アビトゥーア - 医学部の約2割はアビトゥーアの上位成績者から選抜される。
  • 待機期間制度(waiting time) - ドイツ特有の選抜法で看護学実習や市民活動に参加しながら医学部入学のチャンスを待つ制度で医学部の約2割が選抜される。
                                     

2.5. 欧米における医学部 イギリスにおける医学部

イギリスには2011年現在で医学部が32ある。特にスコットランドは先駆的な医学教育を取り入れており世界でも医学教育をリードする地域の一つとされており、ダンディー大学は医学教育のメッカといわれている。

イギリスの医学部の多くは5年制だが、学士入学者を対象とする4年制の課程や、生命科学系の基礎教育を重視した6年制の課程の医学部もある。

医学部の卒業後、医師として正式に登録されるには、総合医学評議会(GMC)に仮登録して2年間の臨床研修を受講する必要がある。その後は家庭医(GP)として3年間のプログラムを受けるコースと、専門医として5〜7年間のプログラムを受講するコースに分かれ、終了後に認定証を受けることで医師として正式に登録される。

                                     

2.6. 欧米における医学部 アメリカ合衆国における医学部

1910年から1920年にかけ米国では医学教育改革が行われ、医学校は A、B、Cの3段階に格付けされた。同時期に医学教育審議会が設置され後に文部省の諮問機関として認められた。そして医学教育の新基準を満たす見込みのない医科専門学校の多くがこの時期に閉鎖された。

なお、米国の医師国家試験の受験資格は2023年からアメリカ医科大学協会(AAMC)か世界医学教育連盟(WFME)の認証を受けた医学部の卒業生のみに限られる予定である。

                                     

3. 関連項目

  • 保健学部
  • 東日本医科学生総合体育大会(東医体)
  • OSCE
  • 医学教育
  • 西日本医科学生総合体育大会(西医体)
  • 全日本医科学生体育大会王座決定戦(全医体)
  • 歯学部
  • 医学研究科
  • 薬学部
  • 進学課程 医歯学部
  • 医学校
  • 看護学部
  • 国際医学生連盟
                                     

4. 外部リンク

  • UMIN University Hospital Medical Information Network(大学病院医療情報ネットワーク)
  • 医学部附属病院・研究所附属病院の一覧
  • IFMSA-Japan(国際医学生連盟 日本)
  • Association of American Medical Colleges AAMC
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